IELTS(アイエルツ)検定

IELTSとは?

オーストラリアで”IELTS(アイエルツ)”という言葉をよく耳にするかと思いますが、”IELTSって何だろう?”と思われる方も多いと思います。IELTSはTOEFLやTOEICと比べ、日本ではまだ馴染みの薄い試験ですが、オーストラリアを含む多くの国・期間で採用されている英語能力検定試験です。
IELTSは、International English Language Testing System の略称で、イギリスの教育機関が行っています。トータル120ヵ国以上約6000の政府機関、教育機関、企業などで採用されており、アメリカ合衆国の3000以上の教育機関、オーストラリア、イギリス、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ共和国のほとんどの教育機関で入学の際の英語力証明として使うことが出来ます。
また、IELTSはオーストラリア、ニュージーランド、カナダへの移民の必要条件となっています。
IELTSの公式ホームページはこちらから(英語)

IELTSの種類

IELTSには、アカデミック(Academic)ジェネラル・トレーニング(General Training)の2つのモジュールタイプがあり、それぞれの目的に合わせて、IELTSを受講することになります。
ちなみに、リーディングライティングに関しては、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールで出題内容が異なります。

オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、カナダなどへの留学や研修

アカデミック

英語圏の大学や大学院に入学を考えている方は、このIELTSのスコアを学校側に提出する必要があります。例えば、IELTS 5.5のスコアは中級レベルとみなされ、カレッジ・TAFEに入学する際に必要となるスコアです。大学、大学院では6.0、6.5、または学部によりそれ以上のスコアを提出することが定められています。また、英語圏での看護師や医師登録申請をする方は、このアカデミック・モジュールでの結果が必要です。

英語圏での就職や移住権申請

ジェネラル・トレーニング

英語圏で学業以外の研修を考えている方、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドへの移住申請をされる方用の英語力を測る試験です。例えば、オーストラリアでは就労ビザ申請時に各セクションで5.0以上のスコアを提出することが定めてられています。

IELTSのテスト内容とスコア

IELTSはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの構成から成っています。試験結果は0~9の点数で示されます。入学の際の英語力証明として使用する場合、学校によって必須点数に差はありますが、イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの大学の場合は総合点数5.5~7.5点が必要です。(IELTS5.5~7.5点はTOEIC600~970点に相当、TOFEL CBTでは192~267点に相当) テスト結果は2年間有効となっています。また日本でIELTSを受講する場合ですが、全国18都市でほぼ毎週実施されています。ただし、実施会場は試験日により異なります。

IELTSのテスト内容

リスニングモジュール

問題数

4セクション 40問

時間

30分(試験時間)+10分(解答を書き込む時間)

ポイント

①話の要点や特定の情報を聞き取れるようにする
②話者の意図・姿勢・目的を理解できるようにする
③議論の展開についていけるようにする
④一度で内容を聞き取れるようにする(試験では音声は一度だけしか流れません)
⑤様々なアクセントの英語に慣れておく(イギリス・オーストラリア英語の発音は多め)

試験パート

一般的にセクションが後ろになるにつれて難しくなっていきます。問題が始まる前に設問を読む時間が30秒与えられ、各セクションの間に解答を確認するための時間が30秒与えられます。最後に解答を書き込む時間が10分与えられているので、問題中は問題用紙に集中すると良いでしょう。

セクション1 出題形式:二人の話者による会話
出題内容:日常生活で話されるような内容(宿泊施設の予約など)
解答形式:穴埋め、リストから答えを選択
セクション2 出題形式:出題形式一人の話者によるモノローグ
出題内容:日常生活に関する内容(地域施設に関する描写やレストラン予約など)
解答形式:穴埋め、短い質問への解答
セクション3 出題形式:最大4人の話者による会話
出題内容:教育現場で話されるような内容(課題に対するやり取りや研究計画に関する議論など)
解答形式:穴埋め、短い質問への解答
セクション4 出題形式:一人の話者によるモノローグ
出題内容:教育現場に関する内容(大学の講義など)
解答形式:穴埋め

リーディングモジュール

問題数

3セクション 40問

時間

60分(試験時間)※解答を書き写す時間はありません

ポイント

①文章の要点を素早く理解できるようにする
②文章に書かれていない、言外の意味を読み取れるようにする
③筆者の意図や姿勢を把握できるようにする
④文章中の議論の展開についていけるようにする

試験パート

リーディングはアカデミックジェネラル・トレーニングで問題が異なります。一般的にパッセージが後ろに行くにつれて難しくなっていきます。問題文は書籍、雑誌、新聞などに加え、アカデミックでは専門誌、ジェネラル・トレーニングでは広告や企業ハンドブックなど、実際の文章から抜粋されます。文章の長さは全体で2,150~2,750語となっています。

アカデミック・リーディング
出題形態:合計3つ、900前後の長文
出題内容:一般人に対する学術的な文章を抜粋。内容は情景の描写、事実の記述、意見文、特定内容の分析結果など。図形やグラフ、イラストが挿入される場合もあり
解答形式:図や表の穴埋め、選択形式
備考:専門用語に関しては注釈がつく
ジェネラル・トレーニング・リーディング
セクション1 出題形態:2~3の短文
出題内容:広告など、日常生活に関連
解答形式:図や表の穴埋め、選択形式
セクション2 出題形態:2つの短文
出題内容:求人情報や研修など、仕事に関連
解答形式:図や表の穴埋め、選択形式
セクション3 出題形態:比較的長めで複雑な形式の文章
出題内容:一般的なもので、幅広い分野から
解答形式:図や表の穴埋め、選択形式

ライティングモジュール

問題数

2問

時間

60分(試験時間)

ポイント

①質問に対して適切に答えられるようにする
②論理的な文章を書けるようにする
③文法と単語を正確に幅広く使えるようにする
④解答の記入に要する時間を把握し、シミュレーションする
⑤文字数は感覚的に分かるように様々な文章を書いて練習する

試験パート

ライティングもアカデミックジェネラル・トレーニングで問題が異なります。採点の際は解答が質問に対して適切か、一貫性があるか、語彙力があるか、文法が正しく同じ表現ばかりを使っていないかが評価されます。どちらのテストも、Task2の配点のほうが高くなっており、Task1では最低150語、Task2では最低250語を書く必要があります。

アカデミック・ライティング
タスク1 出題内容:グラフ、表、図形といったデータの分析、比較。または物事の過程や手順の説明
解答形式:説明文(フォーマルな形式)
タスク2 出題内容:ある内容に対する主張や問題提起に対する意見を述べる
解答形式:エッセイ(フォーマルな形式)
ジェネラル・トレーニング・ライティング
タスク1 出題内容:一般的な内容。与えられた状況に沿って要求、希望、意見を述べる
解答形式:手紙(文体は個人的、またはフォーマル)
タスク2 出題内容:必要な情報の記述、問題提示、問題の解決策の説明、ある問題に対する意見
解答形式:エッセイ(フォーマル。ただしアカデミックのTask2ほどではない)

スピーキングモジュール

問題数

3パート

時間

11~14分

ポイント

①日常的な内容に関して情報提示ができるようにする
②物事に対して意見が述べられるようにする
③ある内容に関して、適切な言葉で論理的に一定時間のスピーチが出来るようにする
④意見を述べる際に説得力のある内容や表現を使えるようにする
⑤ある内容に関して分析、議論、推測できるようにする

試験パート

試験官と1対1の、インタビュー形式で行われます。流暢さと一貫性、語彙力、文法力、発音に基づいて評価が行われます。また、スピーキングに関しては他のモジュールとは別の日(一般的には翌日)に行われます。

パート1 出題内容:試験官の自己紹介、受験者の本人確認に続き、家庭、仕事、勉強、趣味などの質問。4~5分
解答形式:自己紹介、日常に対する質問への解答
パート2 出題内容:テーマと解答のポイントが書かれているカード(Task card)の内容に関する受け答え。準備時間は1分間、スピーチは最大2分間。スピーチの後には試験官から1~2つ質問がされる
解答形式:テーマに沿ったスピーチ
備考:受験者にはメモ用の鉛筆と紙が渡される
パート3 出題内容:パート2の内容に関するより掘り下げた質問。4~5分
解答形式:ディスカッション
IELTSのサンプル問題はこちらから(英語)

IELTSスコア概要一覧

9.0 十分に英語を駆使する能力を有している。適切、正確かつ流暢で完全な理解力もある。
8.0~8.5 時折不適切はあるが、十分に英語を駆使する能力を有している。議論も可能である。
7.0~7.5 状況により誤解が生ずる可能性もあるが、英語を駆使する能力を有している。複雑な言語も概して上手く扱っており、詳細な論理を理解している。
6.0~6.5 不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、効果的に英語を駆使する能力を有している。特慣れた状況下では複雑な言語を使いこなすことができる。
5.0~5.5 部分的に英語を駆使する能力を有しており、概ね全体的な意味をつかむことができる。基本的なコミュニケーションを行うことができる。
4.0~4.5 慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言語は使用できない。
3.0~3.5 非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションが頻繁に途絶える。
2.0~2.5 確実なコミュニケーションを行うことは不可能。慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を単語の羅列や短い定型句を用いて伝えることしかできない。英語による会話、および文章を理解するのに非常に苦労する。
1.0~1.5 単語を羅列して用いることしかできず、基本的に英語を使用する能力を有していない。
IELTSとその他の英語検定試験の換算表はこちらから

IELTS対策コース

IELTS検定ではライティング、スピーキングも入ってきます。課題に対しての英語での論述、ディスカッションへの対応はなかなか一人で勉強するには困難です。レベルアップに向けた、対策コースがオススメです。
オーストラリアではIELTSの需要が高く、多くの専門学校、語学学校がIELTS対策コースを提供しています。それにかねて質の高い授業を受けることができ、自分に合った学校選びをする事が出来ます。例えば、フルタイムで授業を行っている学校と、午前もしくは午後の授業を選べる学校があります。また、平日だけではなく土日にも受講する事が出来たり、夜間のコース、少人数制のコース、IELTS検定の試験官がアレンジしているコースを提供している学校もあります。一週間に一度模擬試験を行い、ひとりひとりにフィードバックを行っている学校もあり、それぞれの学校がこのIELTS対策を設け、個々のレベルアップを目指すのに大きな役割を担っています。

IELTSでスコアを上げるには、リスニング、リーデ ィング、ライティング、スピーキングをバランスよくスキルアップしていく必要があります。対策コースはIELTSのスコアアップに向けた受験スキルを学べる上、英語力を全体的に強化する為、各セクションがバランスよくカリキュラムを取り組まれています。

対策コースの一般例

リスニング 日常で使えるようなものからアカデミックなものまで扱い、聞き取り力を付けます。
リーディング ケンブリッジ試験対策コースで単語力、読解力、読解スピードを身につけます。
ライティング 日常で頻繁に使われる語彙、書き言葉など幅広く勉強します。小論文、レポート、などを書く力を付けます。
スピーキング よりネイティブに近い発音を目指します。様々なトピックに対しディベートを行い、問題解決をしながら英語力を養います。クラスでグループディスカッション、ペアワークを通し、会話力と聞き取り力を身に付けます。また日常での場面を想定して授業が進められるので、世間で話題なトピックをディスカッションのテーマとして扱うことで、コミュニケーションスキルの向上を目指します。

IELTS対策コースを行っている学校

下記のは一例ですが、このようにオーストラリアの主要都市どこに行ってもIELTS対策コースを受講できる学校はあります。行きたい場所から学校を決める事も出来ますし、行きたい学校を決めてからその都市に行く事も可能なので、オーストラリア生活を十分に楽しむことも出来ます。学校の雰囲気、スケジュール、予算等、自分に合った学校を見つけましょう!

シドニー

メルボルン

ブリスベン

パース

ケアンズ

ゴールドコースト

無料お問い合わせ・説明会予約