日本でいうところの確定申告がこのタックスリターンに当たります。オーストラリアに滞在していて収入が1ドルでもある人なら、このタックスリターンは義務です。
簡単にいうとお給料から毎回天引きされているタックスというのが、正しい額だったのかというのを調べて「引かれすぎていればその分を返金」「足りていなければその分を徴収」という制度です。
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総収入ー経費(ユニフォームや交通費など)= 課税所得
つまり経費を差し引いた個人の純粋な収入、これが課税対象となり課税所得と呼ばれます。
稼いだお金(課税所得)に対してどのくらいの割合で税金が引かれるかを課税率と呼びます。収入が大きくなるとそれだけ課税率も上がります。さらに、居住者扱いになるか非居住者扱いになるかでも課税率が変わってきます。
これらの方は居住者として扱われ、$18,200までの収入なら課税なし。一方、非居住者は低所得だったとしても収入1ドルから課税がされてしまいます。
このため、あまり収入を得れていないのに非居住者として課税され、タックスリターンをしてもほとんどお金が返ってこない人や同じ収入でも居住者扱いとなり課税0%で天引きされた税金が全部戻ってくる人がいるのです。
居住者として扱われた場合の課税率
課税所得 | 税率 |
---|---|
$1~$18,200 | 0% |
$18,201~$37,000 | 19% |
$37,001~$80,000 | 32.5% |
$80,001~$180,000 | 37% |
$180,001~ | 47% |
非居住者として扱われた場合の課税率
課税所得 | 税率 |
---|---|
$1~$80,000 | 32.5% |
$80,001~$180,000 | 37% |
$180,001~ | 47% |
※メディケアの資格を持つ人には2%のMedicare Levy、その他にも特別控除など様々な条件がありますので正確な計算や居住者扱いの条件などは税理士への問い合わせをお勧めします。
※2017年1月からはワーキングホリデービザ保持者に対する非課税枠がなくなる予定です。詳しくは税制改正についての項をご覧ください。
タックスリターンのしくみについて分かったところで、実際に申請してみましょう。
オーストラリアの会計年度は7月から数え翌年の6月までとなります。そのため6月が終わり会計年度が替わると前年度分のタックスリターンの申請が始まります。税理士に依頼できる期間は自分で申請できる期間より長いので。期限を過ぎてしまった場合は、税理士に依頼しましょう。申請しないままいると、罰金を取られる可能性もあります。
申請前に必要書類などの確認をしましょう。主に必要となるものは以下の通りです。
※Medicareの有無やその他投資などの収入がある場合、配偶者がいる場合には、その他の書類が必要な場合もあります。
タックスリターンの申請方法には大きく2種類あります。
通常の期間に申請する
オンラインでも申請が出来るので、日本からでも申請が可能。しかし、オーストラリアの口座をすでに閉じてしまっている場合などは場合は小切手での送金となり、換金に手数料がかかります。税理士に依頼した場合には、日本円換金して日本の銀行口座に入金してもらえる場合もあります。
早期申請する
会計年度の途中での申請は基本的には認められていませんが、申請期間前に出国し、帰国の予定が無い、かつ出国後にオーストラリアでの収入がない場合には早期申請が認められます。特別な書類も必要となるので、この場合は税理士に依頼しましょう。
このスーパーアニュエーション(以後スーパー)は、いわゆる年金です。雇用主は給与額に対する一定の割合をスーパーファンド(運用基金)に支払っています、このお金をスーパーと呼び、退職時に受け取れます。つまり、会社側が退職金を少しずつ積み立ててくれている訳です。
※1か月の給与額が$450未満の場合は適応外
基本的には退職時に引き出すのがスーパーですが、一時滞在ビザ保持者(学生、ワーホリ、駐在員)が永久的に出国する場合には、その時点で引き出すことが出来ます。申請の条件は…
申請前に自分がどのスーパーアニュエーションに加入しているか、残高はいくらかなどを確認しましょう。基本的には雇用主が3か月に一度、文書にてスーパーの残高の通知があるはずです。申請に必要なものは以下の通りです
※残高や運用基金などスーパーに関する情報が分からなければ、雇用主にに問い合わせましょう。
スーパーの返金期限は出国あるいはビザが失効してから5年以内です。ですが、5年以内にオーストラリアに戻って働く予定があるなら引き出さずに取っておいたほうが良いでしょう。
様々な会社で働いたり、複数のファンドを持っている場合は、ファンドに問い合わせてなるべく1つにまとめましょう。そうしておけば、手続きも楽になりますし、小切手で受け取る場合の換金手数料も1回分で済みます。
スーパーの申請はオンラインでも出来る上、タックスリターン程難しくないので、しっかり必要書類や情報を揃えばご自身でも申請できます。もちろん、税理士やエージェントに依頼することも出来ます。料金はタックスリターンより少し高いことが多いですが、より確実に手続きを進められる事を考えた場合には税理士を利用されるのも一つの方法です。
ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在している方、これから来られる方が、今最も気になる話題です。当初、オーストラリアでは2016年7月からバックパッカー税というものが施行される予定でした。
今まで、収入が$18,200以下で居住者扱いのワーキングホリデービザ保持者は収入に対する課税率が0%で、天引きされた税の全てがタックスリターンにより返ってくるのがオーストラリアでワーホリをする大きな魅力でした。しかし、この非課税枠を廃止しようという案が今回のバックパッカー税です。
2016年7月からこの非課税枠だったところを、0%⇒32.5%というのが当初の案でしたが、結局2017年1月から0%⇒15%に引き上げで収まるようです。
※2016年12月22日時点では、まだ正式な税率変更の発表がオーストラリア政府からは発表になっておりません。